いろいろなメモツールを試してもScrapboxに戻ってくる理由

Scrapboxのユーザー数が25万人を突破したらしい。愛用しているサービスなので今後も継続してくれるかどうかが心配だったが、この分なら大丈夫そうだ。

Scrapboxはテキストベースのメモツールである。公式では「ナレッジ共有ツール」と呼んでいるが、少なくとも僕はメモツールとして利用している。これまで、さまざまなメモツールを試してきたが、結局はScrapboxに戻ってきてしまう。その理由は3点ある。第一に、すぐにページを作成できること。サイトを開けば目の前に新規ページ作成ボタンがあるため、もたつくことがない。次に、箇条書きがやりやすいこと。Scrapboxは独自の記法を採用していて、スペースキーで即座に箇条書きができる。これがマークダウンだと、「半角マイナス」+「半角スペース」という手順を踏まなければならず、日本語IMEの環境では地味に面倒くさい。簡易なメモには箇条書きが向いているため、1ステップで可能なのはありがたい。3つ目に、ノートを整理する必要がないこと。Scrapboxには階層という概念が存在せず、かわりにリンクによってノート同士をつないでいく。このため、むしろ整理しようとするおかしくなる。整理が必要ないということは、整理のために脳のリソースを使わなくていいということだ。省エネである。とりあえず適当にノート内のワードをリンク化して、適当にノート同士をつないでおく。思い出したくなったら適当にそれっぽいワードで検索をかけてみる。この緩さでまったく問題ないのが素晴らしい。

一見すると、ほかのメモツールよりも機能が少なくて不便に思えるかもしれないが、この機能の少なさが、逆にScrapboxの長所として働いている。使い方に迷いが出ないのだ。これがNotionだったら、やれることが多すぎて迷いが生じてしまう。それがないのが良い。

もちろん、機能が少ないが故に、Scrapboxだけですべてを完結しようとするのは無理がある。実際、僕は日記用に先述のNotionを使っているし、メモを越えたドキュメントの作成にはDropbox Paperを利用している。それでいいのだ。最近、「ツールはひとつにまとまっていたほうが便利だ」という風潮が一部であるけど、僕はまったくそう思わない。ツールにはそれぞれ得意なことがあるのだから、用途に応じて使い分ければいい。そのほうが結果的に生産性も上がると感じている。

Scrapboxのリンクは以下のとおり。個人利用なら無料だ(そこも素晴らしい)。

https://scrapbox.io/product