時間選好について

ビットコイナーの聖典である『ビットコイン・スタンダード』に時間選好というワードが登場する。詳しい説明は省くが、そこではビットコインは、個人や社会の時間選好を低くしてくれると述べられている。

この時間選好という概念は重要なのでメモしておく。

簡単に言えば、時間選好とは、未来と現在、どちらの報酬を重視するかという度合いである。たとえば消費行動の場合、時間選好率の高い人ほど「現在の満足」を重視し、すぐに消費行動を行う。反対に、時間選好率の低い人は、「未来の満足」のため、現在の消費行動を我慢する。

時間選好率が高い人は、そうでない人に比べて消費が多くなるため、必然的に資産が低下する。それにより、貧困に陥りやすい。

時間選好は、「今だけを見ていればいい」という価値観が間違いであることを教えてくれる。

よくある誤解として、時間選好は我慢強さのことではない。それは文字通り価値観の違いなのである。時間選好率が低い人は、我慢強いわけではなく、未来の報酬のほうを高く評価しているのである。

つまり、時間選好率を低くするためには、まず「時間選好率は低いほうがお得である」と納得することが先決となる。