時間選好について調べていると、「貧困層ほど時間選好率が高い」という情報をたびたび目にする。それはいいとして、では、なぜ貧困層は時間選好率が高いのかという点は不明だ。このことについて考察してみよう。
時間選好率が高いということは、「今の満足」を重視するということだ。客観的に考えれば、貧困層は節約の必要性に迫られることから、むしろ時間選好率が低くなりそうだが、結果はその逆である。なぜか。おそらく、貧困によって将来が不透明になるからだろう。将来の見通しが立たないのであれば、今のうちに消費をしてしまえというのは、わかる話ではある。
将来が不透明というのは、もっと具体的に言えば、死の確率が高いということだ。死んでしまえば自分の資産も無意味であるから、現在の消費への意識が高まる。
また、普段の満足感が低いので、それを相殺するために消費を行う、というもあるだろう。
なるほど、だいたい理由は見えてきた。そこで次の問題は、時間選好率が高いままなら、貧困から抜け出せなくなってしまうことだ。どうすれば時間選好率を低下させることができるのか?
「時間選好率が低いほうがお得」という基本的な考えを心に留めるのは当然として、現在の満足感はどう埋め合わせればいいだろう?
まず、自分より恵まれている人間を目に入れないこと。特に現代では、SNSで簡単に恵まれている人間が見つかる。貧困層はSNSをやらないほうがいいだろう。
そして、身の丈に合った趣味を見つけること。間違っても、流行に飛びついてはならない。流行は多くの企業があの手この手で消費者をとらえようとするため、お金が足りなくなるか、あるいは流行について行けないことが原因でストレスが高まる。
続いて、将来の不透明さ、死の恐怖を克服する方法だが、これは普段から死を意識することで、恐怖を慣らすしかない。そもそも死は貧困層でなくてもいずれ訪れるのだから、誰であっても、覚悟しておくのが正しい。
最後に、「長期で資産を増やす」という具体的な目標を立てるのがいいだろう。お金持ちになっても死が解決されるわけではないが、貧困時よりはマシな生活が送れるようになる。そのためにはスキルを磨くことと、経済とお金の勉強をすることだ。お金は法定通貨だけでなく、ビットコインについても勉強したほうがいい。