デザインは無駄を減らせば減らすほどよいとされている。同じように人生も、無駄を減らせば減らすほどよい。だが、人生の無駄を減らすことはデザインよりも難しい。これはなぜか? 人間には感情があるからだ。あるときは燃え上がり、あるときは冷えつく。そのような感情の揺れ動きが、無駄を減らすどころか、むしろ無駄を堆積させてしまう結果になる。
いったい、どうすれば感情をコントロールできるのだろう? その鍵は、内省と静止にあると見ている。内省によって現在の自分の感情がどういうものであるかを認識し、静止──つまり、行動を保留することで、冷静さを取り戻す。
感情をコントロールするにあたって、刹那的な欲求に突き動かされているときが一番難しい。欲求に抗うのは苦痛を伴うからだ。ここでは理性力と、欲求による渇望を別の手段で解消するテクニックが求められる。
具体的にどうすればいいのか。それはまだ自分にも答えが出せない。しかし方向性は間違っていないはずなので、しばらくこのテーマを考え続けてみよう。