久々に世界樹へ

ティアキン(『ゼルダの伝説』最新作)をクリアしたので、『世界樹の迷宮 1・2・3 HDリマスター』を購入した。早速、初代世界樹を遊んでいる。たぶんこのゲームの原作をやったのは十数年前になるだろう。それだけの月日が経過した。この期間にゲームはさまざまな進化を遂げたが、本作の面白さは少しも見劣りするものではなかった。

世界樹シリーズのゲーム性はシンプルだ。いくつかある職業から選んでキャラクターを作成し、パーティを組み、ダンジョンを攻略していく。モンスターとの戦闘を繰り返すことでキャラクターは成長し、モンスターが落とす素材を売りさばくことで新しい武具が購入できるようになる。そうしてパーティが強化されていくにしたがい、ダンジョンのさらに奥へ進めるようになる。RPGの基本に忠実なゲーム性だ。

直近のシリーズ作ではキャラクターにボイスが追加されたり、独自の意志を持ってセリフを喋ったりもしたが、可能な限り原点に忠実であることを目指す本作では、そういった要素もない。世界樹の面白さに余計なものは不要なのだ。

RPGはハードの進化とともにリッチ化していったが、それにより、最初のうちは目新しく感じても、途中から飽きてしまい、クリアまでたどり着く前にやめてしまうという作品が増えた。それはリッチ化することで、RPG本来のシンプルな面白さが損なわれてしまったことが原因だ。また、ゲーム全体を見ても、プレイヤーが数分~数十分ものあいだにかけて操作できない、ただイベントやムービーを見ているしかできないというゲームが、もはや当たり前になってしまった(これは当たり前になるべきことだろうか?)。

改めて初代世界樹を遊んでみると、現代のゲームが、リッチ化と引き換えに失ってしまったものが浮き彫りになる。このリッチ化傾向は、いったいどこへたどり着くのだろう? 複雑化し、無駄にプレイヤーを拘束しつづける進化の先に待ち受けるもの。それが良いものであると想像することは、極めて難しい。