私はもう10年以上鬱病と付き合っている、鬱病のプロだ。当然ながら薬を服用しており、抗うつ薬のサインバルタと睡眠薬を夜の寝る前に必ず飲んでいる。そんな状況だったのだが、最近になって徐々にサインバルタの量を減らしても問題なくなっており、ここで一度、断薬に挑戦してみることにした。
先週の水曜日の夜から断薬を実行した。このときはサインバルタと睡眠薬の両方を断ってみたが、これは失敗だった。どうしようもなく寝付きが悪くなった。いつもならベッドに入ってから1時間もあれば眠れるところ、4時間が過ぎても目が覚めていた。そのせいで日中はまったく頭が働かず、吐き気にも襲われて仕事どころではなかった。まず眠れないことにはどうしようもない。そこで金曜日から、睡眠薬だけ服用を再開してみた。
すると、思ったとおり、問題なく睡眠をとることができた。なるほど、まだ睡眠薬を断つ段階ではなかったのだ。
その翌日から、体調はかなりましになった。どちらかといえば不調なのだが、日常生活を送れる程度の不調におさまっている。
具体的な症状は、第一に平衡感覚の乱れが挙げられる。脳が揺れている感じがして、まるで酔っているみたいだ。視点がずれるだけでなく、しゃっくりのようにいきなり脳ミソが震えたりする。軽い吐き気と倦怠感もある。だが、仕事ができないほどではない。当然ながら生産性は落ちるが、いずれ克服しなければならない事柄なので、しばらくは断薬を続けていこう。離脱症状がおさまれば楽になるはずだ。
それはそうと、生産性の低下は、職場のせいでもあることは忘れないようにしたい。不調になるとよくわかるが、自宅が最も安心できる場所で、余計なエネルギーを使わずに済むため、最も生産性が高い。一方、職場だと周囲に意識を割く必要があり、その分エネルギーが消耗される。おまけに出勤と退勤にもエネルギーを使わなければならない。「職場だと隣の人にすぐ質問できるから生産性が上がる」という人は多いが、それは単に職務の範囲と権限が明確化されていないことから来る幻想に過ぎない。他人に質問しなければならない状況が頻繁に発生する、質問に対する返答がなければ仕事が進まない、これらは、そもそも職場の仕事環境が非効率であることを示しているのだ。